ハンセン病問題の基礎知識①「ハンセン病とは」「ハンセン病問題とは」
・ハンセン病とは
①らい菌による慢性の感染症で、感染しても発症の可能性はごく少ない。②初期症状は湿疹と知覚麻痺③早期発見・早期治療によって、後遺症を残さず治せる(その場合、約6~12か月の治療で完治する)。④未治療の患者と乳幼児の接触さえ注意すれば、感染の心配はない。また、治れば出産・育児も可能である。⑤予防には社会状況の安定と向上が大切で、発症も社会状況に左右される。現在の日本は衛生環境が整っているため、ほとんど発症する人はおらず、多くて1桁の人しか発症しない。⑥治癒した回復者から感染する可能性はなく、治癒したあとに残っている身体的変化は後遺症にすぎない。ただし、後遺症によっては生活上の困難もある。現在療養所で生活している方々は、ハンセン病そのものは治癒している。
・ハンセン病問題とは
古くから「天刑病」「業病」「遺伝病」などとして忌み嫌われたハンセン病は、国の不合理な隔離政策により、「恐ろしい病気」との考えがより一層国民の間に広がった。官民一体となって患者を療養所に収容した「無らい県運動」や患者家族を村八分にするなど、ハンセン病に罹患した人やその家族が受けた偏見差別は、想像を絶するものがある。2001年の「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」での勝訴後、「ハンセン病補償法」、「ハンセン病問題基本法」が制定されたが、依然として偏見差別は根強く、今も多くの回復者が療養所で生活を送らざるを得ない。
高齢化による語り部の減少、療養所内での孤立など、偏見差別以外にも抱える問題が山積している。特に若い世代への啓発は、喫緊の課題である。

多磨全生園 人権の森(2019/5/25撮影)
<参考資料>
以下の資料全体を参考にいたしました。
東京都「ハンセン病患者の人権 ハンセン病への偏見をなくそう」
厚生労働省「ハンセン病の向こう側」
公益財団法人 日本財団「キミは知っているかい?ハンセン病のこと。」
公益財団法人 日本財団「―希望ある明日へ向けて―知ってほしい、ハンセン病のこと。」
多磨全生園入所者自治会「正しく学ぼう!! ハンセン病Q&A」
国立ハンセン病資料館ハンプレット
国立ハンセン病資料館2F常設展示

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